CBDの原材料って何?大麻由来って大丈夫なの?

CBDをヘンプ・大麻の原料から見るCBDの知識

CBDは大麻からできていると言われています。

本当に?

実は正確に分類すると2種類の非常に似ている植物から抽出することができます。

片方はみなさんご存知の通り大麻。もう片方はヘンプと呼ばれる植物です。

ここでは、大麻とヘンプの違いと、その安全性についてご紹介していきます。

この記事のまとめ

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大麻草とヘンプの違いとは?

CBDを生成することができる植物は大きく分けて2種類。

  • ヘンプ
  • 大麻草

この二つです。大麻草には、マリファナをはじめとした様々な呼び名があります。

実はこれら2種類の植物、学名は同じカンナビス・サティバと呼びます。でもなぜ呼ばれ方が違うのか。

本筋に入って行く前に歴史を紹介しておくとわかりやすいので、軽くこれら2種類の植物とその背景について紹介していきたいと思います。

ヘンプは人類の生活を支えるために改良され続けてきた

ヘンプは麻です。

服や生活用品を作成するための繊維のために育てられてきた種です。

繊維のために改良されてきたので、繊維がよく採れる茎の部分が長く太く成長するように改良されてきています。

メインの茎の部分に大部分のエネルギーを使用するように改良されてきているので、対比として紹介する大麻草と比較して花は小さく、枝や葉も数は多くないことが特徴としてあげられます。

大麻草は「トリコーム」の生産を最大化するために作られてきた

対して大麻草は、植物化学物質を採るために改良され続けてきました。ハイになったりこのブログで取り上げられてきているCBDなどの物質のことですね。

この物質は、雌株の花と上部の葉に多いことがわかっています。葉と花がたくさんつくように改良されてきているので、大麻草は茎よりも葉を多くつけて、枝も分かれ、たくさん花がつくようになっています。

トリコームの量とCBDに注目する

さて、CBDはトリコームから生成することができます。

では、大麻草とヘンプ、どっちの方がたくさんCBDが採れるのでしょうか?

総量は圧倒的に大麻草

実はヘンプからCBDは作られていると言われますが、ケミカル的な総量的には圧倒的に大麻草が多いです。

図を見てみてください。

ヘンプと大麻草に含まれる植物化学物質の総量の違い

図は、(実際に採れる量を正確に表している訳ではありませんが)ヘンプと大麻草、それぞれから採ることができる植物化学物質の量の違いを示したものです。

圧倒的に大麻草の方が多いですね。本当はもっと量に差があります。

実際の値とは異なりますが、大麻草は化学物質をたくさん採れるように改良されてきた結果、全ての物質の総量が多いのです。

CBDの量はヘンプが勝つが・・・?

さて、ここからCBDの量についても比較してみましょう。

なぜ、大麻草の方が化学物質的な総量が多いのに、ヘンプからわざわざ採るのか。その秘密がわかります。

ヘンプと大麻草が持っているCBDの量の違い

ヘンプは「不純物」が少ないんですね。あれこれと分離しなくても良いのです。

しかし、分離の手間を考えないと、総量的には圧倒的に大麻草と言われています。

実際に得ることができる植物化学物質に図よりももっと差があることを考えると、同量のCBDを得るのに、ヘンプからCBDを精製する場合は大麻草の数倍の植物を用意する必要があります。

これからお伝えしますが、これがヘンプの抱えている大きな問題点の一つでもあります。

栽培と加工の観点からの課題と問題点

ヘンプの方がCBDが摂りやすい。では、CBDはヘンプ製の方が良いのか?

まずは、ヘンプに焦点を当てていきます。

ヘンプの抱えている問題点は2つ。その抽出方法と生物濃縮です。ここさえパスできたらヘンプ産のものを使用して問題ありません。

それぞれ詳しくみていきましょう。

ヘンプの抱える問題点:1「生物濃縮」

ヘンプの抱える大きな問題点の一つが、生物濃縮です。

生物濃縮とは、人類に有害な物質が、食物連鎖の過程をへて濃縮されていってしまうことです。

生物濃縮によって汚染されていってしまう様

例えば海の中に少量の汚染物質が流れ込んだとしましょう。これを食べるプランクトンや小魚は微々たる量しか摂取しませんが、その小魚を食べる大きな魚はより汚染されていき、もっと大きな魚を人間が食べた時にとんでもなく汚染物質が濃縮された状態になってしまいます。

汚染量1のプランクトンをを食べる魚の汚染量が3になり、それを食べる魚は濃度5になり、最終的に濃度10で人間の口に入る、といった具合です。

これがCBDを精製する時にも起こってしまうのです。

まず、ヘンプは、土壌を除染するという能力があります。簡単にいうと、土の中に含まれているものを何でもかんでも吸い上げてしまうという力です。有害でも無害でも、なんでも吸い上げて体に蓄積させます。

そして、一つ前の章で、ヘンプからCBDを精製するためにはたくさんの量が必要だ、ということを話しました。

わずかなCBDのために、大量のヘンプを必要とする。つまり、CBDを精製する時に濃縮される作用が強いということです。

ヘンプを栽培する際に、土壌の状況まで縛るような法律はありません。なので、それが農薬だろうと、品質の低い肥料だろうと、どれだけ土壌が何かに汚染されてしまっていようと、ヘンプは栽培可能で、そこからCBDは精製されます。

こう考えると怖いですね。ヘンプの栽培元まで安心することができるCBD製品を選ぶ必要があります。

ヘンプの抱える問題点:2「抽出方法」

ヘンプからCBDを抽出する方法は、実に様々な方法があります。

様々な方法があることが実は問題になっています。

抽出するのにより安全な方法がある一方で、人体に有害な溶剤を使用して抽出する方法もあります。

そして、製品によっては、どのような製造方法で抽出されているのかの見分けがつかないものがあります。

信頼できる抽出方法で製造されているものを選ぶ必要があります。

ヘンプと大麻草のアントラージュ効果を比較する

ヘンプと大麻草を語る上で欠かせないのがアントラージュ効果です。

アントラージュ効果とは?

アントラージュ効果とは、その物質単体だけでなく、それ以外の物質も一緒に摂ることによって、その相乗効果によって効果が高まることを言います。

例えばハーブがあったとしましょう。ハーブの中にリラックスできる成分を発見したとします。実は、このリラックス成分単体で抽出して摂取するよりも、ハーブの状態のまま様々な成分を一緒に取り入れた方が、よりリラックスすることができる場合があるのです。

さて、このハーブをヘンプや大麻草に、リラックスできる成分をCBDに置き換えてみてみましょう。そうです、ヘンプとCBDも全く同じことが注目されています。

CBD単体で摂取するよりも、無害とわかっているヘンプや大麻草の成分を多少残して一緒に摂取した方が、CBDの効果を高めることができると言われています。

アントラージュ効果から見ると大麻草が優勢?

では、一番最初に話した植物化学物質の話に戻ってきます。

ヘンプよりも大麻草の方が、このあれこれの物質をたくさん摂ることができるように改良されてきました。ハイになるための成分THCのみならず、より効果が期待できるよう、また匂いなどの成分も変えることによって他と差別化できるよう、様々な改良を加えていったのです。

つまり、当時は成分分析から改良することはできなかったとしても、結果的にハイになるための成分以外に、様々な成分の割合も量も増やしていったことになります。

大麻草の有効成分は主に以下の3つ

  • カンナビノイド
  • テルペン
  • フラボノイド

大麻草から抽出することができるこれらの成分は、ヘンプをはるかに凌駕します。

大麻草からそのまま抽出して加工をあまり施していない製品は、ヘンプの物と比較して効果が高いということが研究で確認できています。

しっかりして、CBDのみを取り出していない製品をフルスペクトラム製品と言います。

より高い効果を期待している人は、こう言ったアントラーゼ効果を期待して、以下のように製品を求めていくようになります。

純正CBD→ヘンプフルスペクトラム→大麻草フルスペクトラム

ただ、逆に効果が効きすぎることもあるので、初心者は純正CBD製品からスタートすることをお勧めします。

大麻草ヘンプはTHCが含まれているので、国内では購入できませんし服用もNGです。注意してください。

合法・違法の観点からヘンプと大麻草を見る

このように麻として使われてきた歴史と、薬効を高めるために改良されてきた歴史があるので、今はまだ二つが完全に相入れることはできない状況です。

では、各国どのような状況で対応しているのか確認してみましょう。

アメリカでは?

アメリカでは州によって法規制が異なります。大きく分けて次の3つです。

  • ヘンプ・大麻草、いずれもOKの地域
  • CBDであればOKの地域
  • 問答無用で全てNGの地域

州によっては使用が犯罪になってしまうので注意が必要です。

アメリカの法規制に付いては詳しくは以下の記事でマップ付きで記述していますので、行く際に確認してみてください。

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日本では?

国内では、CBD製品は違法ではありません。

ハイになってしまう成分、THCが含まれているか含まれていないかがポイントになります。THCが含まれていると違法です。

ちなみに、現状CBD製品は使用すること自体は違法ではないとしても、国内で生成することは違法なので注意です。

こう言った経緯もあり、国内産を謳っているものは最終工程の瓶詰めをしているだけで、CBDの精製に関しては基本的に海外で行なっている点に注意です。

日本の法律については以下で詳しく解説しています。

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まとめ

今回はCBDの原料である大麻草とヘンプについて詳しくみていきました。

  • 大麻草は植物化学物質をたくさん取るために改良されてきた
  • ヘンプは麻として、その繊維を使うために改良されてきた
  • CBDはヘンプの方が取れる割合は多いが、大麻草の方が1株あたりで取れる量は圧倒的に多い
  • 相乗効果のアントラーゼ効果というものがある

同じ学名であるはずなのに、ここまで違いがあるのも面白いことですね。

このような知識をつけておくことでCBDをより深く楽しむことができるようになると思います。今後CBD製品を選ぶ時にぜひチェックしてみてください。

Author Profile

みゆき
みゆきCBDオイルレビュー専門家
2年前初めてCBDオイルに出会ってからどハマりしている自称都内っ子のアラサー女子(本当は東京の奥地のド田舎)
CBD製品は一通り全て試しており、CBDオイル検定が出れば即1級を取得できると豪語している。CBDオイルが好きすぎて論文などまで読み漁ったため、専門家に匹敵する知識が売り。
マニアックすぎて彼氏や友人に引かれるのでネットにてその知識を紹介中。

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