CBD(カンナビジオール)は大麻に含まれるカンナビノイド(生理活性物質)の中でも、リラックス効果を始め様々な健康効果が期待され、研究が進んでいる合法の成分です。
CBD自体は、メリットの多い成分になっていますが、アメリカでは健康被害が深刻化しています。事件や健康リスクなんてニュースも上がってます。
何故、体に良いはずのCBDが人々に害を与えるという報告があるのか。
今回の記事ではCBDの健康被害をテーマにご紹介します。
この記事のまとめ
CBDオイルの健康被害にはどんなものがある?
CBD製品が大流行中のアメリカで問題視されているのは主に3つ。
- 重金属・農薬の問題。(アレルギーや副作用の原因になる)
- 違法成分が入っている。(THCや他の麻薬成分:合法の州もあります)
- CBD製品なのに、CBDが入っていない。(成分不明な物質を摂取する)
そのうち、大きな健康被害につながったのが、違法成分が配合されたケースです。
CBDオイルから違法成分が検出されたケース
CBDだけかと思いきや、ハイになってしまうTHC(日本では違法)が含まれてしまっていた、というケースです。
ノースカロライナ州の2つの基地にある医療センターで、軍関係者がVAPEでCBDの蒸気を吸い込んで起きた事件があります。症状には頭痛、吐き気、嘔吐、障害見当識障害、動揺、発作まですべてが含まれていました。
これは、THCを過剰に吸ってしまった時に起こる副作用のようなものです。
わずか数ヶ月という短い期間に約60人もの患者を発見されました。それを持って今年初めに米軍陸軍は、公衆衛生警告を発しています。
CBDではなく、VAPEの「オイル」が危険?
2つ目は、Vaping(オイルを電子タバコで気化させて、その蒸気を肺に入れて楽しむ方法)は、CBDを楽しむ上では非常に効果的な有効手段ですが、ここではCBDではなく、オイル側に問題があるケースがあります。
VAPEに使用するリキッドに使われているプロピレングリコール(PG)とポリエチレングリコール(PEG)は、高温化でホルムアルデヒド(発がん性物質)に分解されます。
電子タバコ蒸気に含まれる有害化学成分 – 国立保健医療科学院
また植物性グリセリン(VG)は多くの蒸気を発生させますが、加熱されるとアクロレインという毒性の高い物質に変化する事が分かっています。
Evaluation of e-liquid toxicity using an open-source high-throughput screening assay. – Pubmed(論文)
日本では含まれている成分は必ず公表されているので、これらの成分が含まれていないものを使用したいですね。
飲む、吸う、塗る?健康被害が多いのは?
現在CBD製品は、飲む、吸う、塗る等様々な形状で販売されていますが、一番健康被害が多いのは蒸気吸入をするVAPEを利用したCBD製品です。
ここでは、CBDの吸収力順に健康被害についてご紹介します。
VAPE(蒸気吸入)
蒸気を吸入する為内臓の消化機能を通らず血流に入るので、2~3分で体感始め、1~2時間位持続します。
利用効率は、約50%~60%で経口摂取のおよそ4倍の吸収率になります。
CBD単体ではあまり有害性はないですが、一緒に入っている添加物の危険性やアメリカのケースでは、CBDリキッドに違法成分が混入していて昏睡状態になったという事件もあります。
体感するのが早いという事は、副作用が起きる事も早いという事になります。
一気に体内に回るのでアル中みたいになるんでしょうね。。
オイルや食品での経口摂取
舌下に数十秒貯めてから飲み込むと吸収力が高まると言われていますが、経口摂取での効率は約15%に留まる為、VAPEで蒸気摂取するよりかなり吸収率は悪くなります。
その為効果を実感したい場合は高濃度のCBDオイルを使う事が望ましいですが、100%副作用やアレルギーが起きないと断言できませんので基本は少量からの使用をお勧めします。
また、日本は製造・研究などは免許が必要になり、県知事がCBDオイル販売の為に栽培を許可した例は、現在の所ありません。
その為、海外製のCBDオイルを輸入した物を購入するというのが一般的です。
しかし、海外と日本では法律に関する基準が異なる為、違法成分のTHCが入った物やCBDが入っていないというトラブルもありますので、購入の際は、信頼できるメーカー・ショップから成分がはっきりわかる物を購入する事をお勧めします。
塗るCBD(経皮吸収)
CBDは抗炎症作用や抗酸化作用が期待されており、アトピーなどのトラブル肌の方を中心に人気が高まっています。
外用品は、皮膚近くにあるカンナビノイドの受容体(CB2)と相互作用してエンドカンナビノイドシステムを活性化します。
肌に塗るタイプは、血流に吸収される事はないようです。
人の皮膚カンナビノイドは、吸収率が低いため、外用から効果を感じたい場合は多めに塗る方が吸収は良くなると考えられていますが、一緒に入っている成分によっては(油分が多すぎる)ニキビが出来やすくなる方も想定できます。
CBDオイルの安全な使用方法は?
基本、それぞれのCBD製品の使用方法に従って、誤った使用方法をしないことを心がけることが大事です。
その上で、CBDの安全な使用方法で気を付けたいのが特にVAPEです。VAPEに使うCBDリキッドを購入する時には、以下に注意しましょう。
- 第三者の機関で検査したものか(THCや重金属、農薬の有無)
- VAPE用の物であるか
- リスクを知っているか(添加物:PG,PEG,VG等 ※上記参照)
VAPE専用でないCBDオイルをVAPEで使用すると味がまずいだけでなく、デバイス(機械)が壊れたり、有害な物質が発生する可能性があります。
通常のタバコの有害さに比べるとVAPEの方が安全とは言われていますが、何も吸わない方よりは健康上のリスクは上がります。
その為、今迄タバコを吸っていてCBDを始めたい方は、吸収も良いVAPEがオススメですが、タバコを吸ったことがない方であれば吸収力が良いからとVAPEをいきなり始めるのではなく、CBDオイルからお試し頂くことを提案します。
CBDは、免疫を調整してくれて様々な病気やアレルギーに良いともいわれていますが、持病があって通院中の方やアレルギー体質の方は主治医に確認をするか、CBDに詳しい病院へのご相談をお勧めします。
CBDオイルに詳しい医療機関は、臨床CBDオイル研究会に入っている実践医療機関がありますので、持病の薬や健康食品等と飲み合わせが心配な方は、相談してください。
では、安全性が保障されたCBDオイルは?
安全性の目安はGMP認証されたCBDオイルを使う事です。
GMPはGood Manufacturing Practice(適正製造規範)の事で、出荷までのすべての過程において製品が安全に作られ一定の品質が保たれるようにする為の製造工程管理基準の事です。
GMP認定工場では、
- 正しい原料が使用されている。
- 製品に含まれている量が正確。
- 異物混入がない。
- 賞味期限内の品質が保証されている
- 製造と品質管理に関するすべての記録が規定通りに作成され、保管されている。
- 苦情に対応できるようサンプルや製造、品質等の記録が残されている。
という厳しい基準をクリアしていますので、THCが入っていない物であれば日本でも安心して使用できます。
特にGMPの中でもcGMPという頭文字にcが付いているものは、GMPの中でも「最新」のGMP基準に合格した製品のみつけることができるマークです。
こちらを基準に選びましょう!
日本製のCBDオイルは安心安全?
日本製のCBDオイルも発売されていますが、本来日本では免許を取得していなければ、麻の製造、販売はできません。
現段階で県知事からCBDの抽出・販売目的で栽培の許可を受けられたケースはない為、栽培・製造・販売まで純国産のCBDオイルは存在しません。
日本で国産や国内製造と謳っているCBD商品を販売している会社に問い合わせた所、材料を輸入した物を日本で混ぜているとの回答が得られました。
純日本製は2020年現在、ありません。
詳しくは以下の記事をご確認ください。
WHOでは安全性を確認済み?
2017年のWHO(世界保健機関)の報告によって、CBDは非常に安全であり、広範囲の投与量で十分に許容されると考えています。
2011年の報告では人は1日当たり1500㎎まで長期用量が十分に許容されることがわかりました。
2018年、WHO委員会は、緩和ケアや生命を制限する人々の専門医療を含む医療適応に使用する事に対する加盟国からの関心の高まりに対応して、より科学的な根拠と病気に対するCBDのさらなる報告を求めました。
薬物依存専門委員会(ECDD)はCBDの初期レビューを行い次のように結論付けました。
「動物及び人間の研究からの最近の証拠は、その使用がてんかん及び関連する発作に治療上価値があるかもしれない事を示しています。現在の証拠は、カンナビジオールが他のカンナビノイド(例えばTHC等)のように乱用されたり依存性を生じたりしない事も示しています。」と報告しています。
ちょっと難しい言葉を使いますが、世界保健機関(WHO)薬物依存に関する専門委員会(ECDD)第39回会議によると、
- 動物における身体依存の可能性は研究で見いだされなかった。
- 人の臨床試験では、離脱症状や耐性に関するコントロールされたヒト研究では、報告されていない。
- 乱用の可能性は、オスのラットで低用量のCBD(5㎎/kg)では、脳内自己刺激(ICSS)に必要とされる回数閾値を変えなかった。しかしながら高濃度CBD(10㎎/kg,20㎎/kg)では、減少した報酬活動を連想される閾値の上昇をもたらした。(コカインやメタンフェタミン、オピオイドのような薬物と反対)
- 有害反応は、THCのような効果を生み出さない(乱用や依存は見られない)
と報告しています。
CBD単体に関しては有用性の方が多いですが、FDAの報告の様に、CBDとして販売している物にTHCが含まれていたり、逆にCBDが入っていない等の報告もありますので市販で売られている物すべてが安全だと保証している訳ではありません。
まとめ
CBDの安全性は、添加物や製造の過程、成分がその通りに入っているのかで大きく変わります。
CBDの購入は
- 第三者機関に成分分析を依頼している。
- GMP認定を受けている商品でTHCが含まない物を選ぶ。
- 正規輸入代理店やVAPEショップなどきちんと税関を通って来た商品を販売している所から購入する。
- 持病がある場合は、医療機関に相談する。
以上4つの事に気をつけましょう。良い販売店は、問い合わせにきちんと答えてくれますので、安全なCBD製品を購入できるショップの目安になります。
Author Profile
- 2年前初めてCBDオイルに出会ってからどハマりしている自称都内っ子のアラサー女子(本当は東京の奥地のド田舎)
CBD製品は一通り全て試しており、CBDオイル検定が出れば即1級を取得できると豪語している。CBDオイルが好きすぎて論文などまで読み漁ったため、専門家に匹敵する知識が売り。
マニアックすぎて彼氏や友人に引かれるのでネットにてその知識を紹介中。
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