CBDの最先端を進んでいると言っても過言では無いアメリカ。
しかし、全ての州が麻に対して前向きに考えているというわけではありません。
ここでは、アメリカでの麻の事情についてと、CBDオイルに対してのそれぞれの見解についてまとめたので紹介していきます。
アメリカでのCBDオイルの取り扱いは、法律と密接な関係があります。
この記事のまとめ
合法ではない?アメリカでのCBDオイルの扱いは?
アメリカでも、もともと栽培も違法でした。今でも違法な州はあり、全ての州が合法ではありません。
2018年 ヘンプ(産業用麻)は合法化。一般作物と同じ扱いに
2018年12月、アメリカでは農場法案が可決されたことによって、産業用ヘンプ(産業用麻)と呼ばれる麻が、一般の作物と同じような扱いになりました。
ヘンプが栽培可能で一般作物のように加工可能であれば、CBDは生成できます。
「吸った時のようにリラックスすることができて、しかもバッド(吸いすぎた時に気持ち悪くなったり気分が悪くなったりしてしまった状況)にならないような夢のような成分があるらしい」
そこからアメリカでは空前のCBD(カンナビジオール)ブームが巻き起こっています。
ありとあらゆる食品、カプセルや市販薬などにCBDが入れられるようになりました。
その後、FDAは、CBDを栄養補助食品として販売することを規制
しかしそのCBDブームの一方、FDA(米国食品医薬品局)は、ブームが巻き起こっている事態を重く見たのか、「治療効果がある、又は、FDAが報告して承認しない限りCBDの栄養補助食品を販売する事は違法である」と、販売されている製品を記載して声明を発行しました。
簡単にまとめると、「自由に栽培できるようにするけど、CBD入りの商品出すならちゃんと認可とってね」って話です。
なぜなら、ヘンプは微量ながらいわゆるハイになってしまうTHCも含まれています。
THCが含まれているということは、間違いがおきて、使用人がハイになってしまう危険性があるということと、濃度を偽って麻薬も精製できてしまうということ。
ここまでの話を簡単にまとめると、次のようになります
- 産業ヘンプ(THC酩酊成分が0.3%以下)から抽出したCBDは、アメリカ全部の州で購入・使用できる
- しかし、栄養補助食品としてはFDAに報告し、承認を得なければならない
- 違法麻(THC含有量は5%~25%。中には30%を超える物もある)から抽出されたCBDは州で規制が異なる
また、麻薬を取り締まる視点から着目すると、DEA(米国麻薬取締部)は、「CBDは連邦の観点から他の農産物と同じ」と考えられており、栽培や購入は合法と考えています。
CBDオイルの合法性は州によって違う?
上のような流れがあったため、産業用ヘンプから抽出されたCBDオイルはアメリカのどの州でも合法です。
一方、麻のCBDオイルが購入できる州は嗜好品の麻が合法化されている州となります。
CBDオイルが許可されているアメリカの州
麻に対して最も肯定的な州から紹介します。
どのような麻でも自由にCBDオイルが使用、購入できる州は次の通りです。
- アラスカ州
- カリフォルニア州
- メイン州
- コロラド
- イリノイ
- ミシガン
- マサチューセッツ
- ネバタ
- バーモンド
- オレゴン
- ワシントン
西海岸であればほぼ合法の流れ(海岸沿いのみ)、東海岸も北東部は肯定的です。
CBDオイルが限定的にしか許可されていないアメリカの州
次の22州は、医療用が合法である州です。
嗜好用は許可されていない為、医療用に栽培されたものから加工されたCBDは嗜好用には使えないものの、医療に使えます。
産業ヘンプは規制されていないので、産業用のヘンプから作られたCBDは使えます。
- アーカンソー
- コネチカット
- アリゾナ
- フロリダ
- デラウェア
- ハワイ
- メリーランド
- ミズーリ
- ミネソタ
- ルイジアナ
- ニュージャージー
- ニューハンプシャー
- ニューメキシコ
- ニューヨーク
- ノースダコタ
- オハイオ
- オクラホマ
- ロードアイランド
- ペンシルバニア
- ユタ
- ウェストバージニア
- モンタナ
次の17州は、産業ヘンプ由来のCBDオイル製品の使用だけが許可されており、THCを含む製品は違法です。
- ジョージア
- アラバマ
- アイダホ
- インディアナ
- カンザス
- アイオワ
- ミシシッピ
- ケンタッキー
- ノースカロライナ
- ネブラスカ
- サウスカロライナ
- サウスダコタ
- テキサス
- ウィスコンシン
- ワイオミング
- バージニア
- テネシー
中央から東にかけて規制が強い動きがあるのが見えます。
州によって規制の度合いが異なるので、旅行の際には注意したいですね。
カリフォルニアにとりあえず行っておけば間違いなさそうですけども。
合法化の動きのある州は?
主要な選挙のある2020年は、現在の嗜好用のイニシアチブ(有権者が法令の制定や廃案について提案する事)又は、修正案を投票しようとしている州があります。
嗜好用が合法になる事によって、THCを含んだCBDも使用可能になります。
現在は報告又は、署名収集段階にあり、最終的に2020年の11月の投票を保証するわけではありません。
次の6つの州は合法化に向けて動いています。
アリゾナ
2020年に嗜好用を可決しようとしている最も有力な州です。2016年にも可決しようとしましたが、有権者はわずかなところで不承認にしました。
しかし歴史的に、カリフォルニアやオレゴンは2回目に可決されている事からアリゾナもそうではないかと言われています。
アリゾナの合法化イニシアチブは、18歳以上の人に消費および購入する事を合法化します。
法的に納められた税金は学校への資金提供や州の医療プログラムの資金調達に役立ちます。
イリノイ州のレクリエーションポット法案同様に、以前に麻で有罪判決を受けた人々を救済する事も目的としています。
アーカンソー
アーカンソー州では、憲法改正の署名活動が行われています。
麻関連の有罪判決から捕まることによって引き起こされる社会的不正に効果的に対処することが出来るように、署名収集段階でこれらに当てはまる3つ以上の憲法が修正ができるほど集められています。
そして、21歳以上は成人用のポットの使用を合法化します。
しかし、2016年11月に医療用麻対策が承認されてから販売されるまでの間、2年以上待たされたことから、合法化から実現するまでは、長い事が予想されます。
フロリダ
フロリダの合法化のイニシアチブは、21歳以上の居住者による最大1オンス(約28グラム)の所持を許可します。
一世帯当たり最大6本の植物を許可する自家栽培オプションがあり、一度に開花するのは3本以下です。
これらの植物は閉鎖されロックされたスペースにある必要があり、販売できません。
ミズーリ
憲法改正が開始されました。現在署名収集段階では、ミズーリ州合法化及び抹消イニシアチブは州の憲法を変更し、商業レベルでの使用、成長、販売を違法にいないようにします。
また、イリノイ州が行った事と同様に非暴力的な犯罪に対する以前の有罪判決も破棄します。この法案は、興味深い事に医師が推奨する医療への課税も禁止します。
ニュージャージー
今年初めに嗜好用を合法化するために順調に進んでいるようでしたが、最終的に達成できませんでした。
民主党の州知事フィル・マーフィーと州議会は成人が使用するのを合法化したいという意見で一致していました。
しかし、適切な税率についての意見の相違があり、税率の議論が解決されると、以前の記録抹消を含む措置を一部の議員が主張し、措置は行き詰りました。
ところが単一会期中に両州議会の60%の投票または、2つの連続した会期中に両院で多数決投票をすることにより投票に進む事ができるので、2020年に良い結果が期待できます。
サウスダコタ
ヘンプのイニシアチブは、現在署名を集め、開始された憲法修正です。この措置は、21歳以上の成人は、所持、使用、輸送、販売を合法化します。
サウスダコタ歳入局は、栽培、試験、流通、小売のすべてのライセンスを発行し、販売に15%の税率を適用します。
この税収は、麻産業のガバナンス(管理)に関連する費用を賄う為に使われ、リマインダーは州立学校と一般基金に向けられます。
州ごとに見解が分かれる理由は?
CBDや麻に対するアメリカの見解は信じられない程急速に変化しています。
30年前に合法化された時は、犯罪増加を懸念して、失意のどん底に落ちたような思いを抱く方が多く、1988年合法化を支持したアメリア人はわずか24%でした。
しかし、着実に国家は自由化し始め、2018年までに米国居住者の66%が承認を申し出て、合法化をリバータリアンの幻想から主流の大義に変えました。
しかし、足並みが揃ってないように見えます。合法化に州ごとに見解が分かれる事に対していくつか調査してみました。
宗教からの観点
宗教が深く関わっているかどうかは、そこまで判断がつきませんでした。
興味深かった内容をいくつか列挙していきます。
合法化するサポーターのごく一部が、宗教に不満を抱く人の増加に関係する事が分かっています。
宗教と同一視しない人の割合は2007年から2014年の間に7%増加しました。宗教を持っていない人は他の人よりヘンプやTHC・CBDなどに対して寛大になる傾向があります。
また、米国人の75%がキリスト教を信仰しています。
キリスト教の立場では、(宗派で異なりますが)娯楽目的はNGですが、医療用はOKという考え方が多くなっています。
最初に嗜好用が合法化された10州は、全てカトリック信者が多い地域でした。
興味深いと思ったのが、宗教の分布と合法化した地域を合わせていくと、モルモン教の信仰が多い地域は合法化に慎重なようです。
近年合法化されたイリノイを始め、これから合法化される地域にはバプテスト(プロテスタントの一派)も増えてきました。
メディアの力
合法化への支持は、メディアが医学的問題としての枠組みを作り始めた直後からでした。
The New York Timesを事例研究として調査した結果、1983年から2015年にかけて麻について発表された記事の数を調べた所、合法化を支持するアメリカ人の数が増加し始める前に、麻に関する医学的使用を議論する記事が急増している事が分かりました。
1980年代 The New York Timesが麻について取り上げた記事のほとんどが麻薬密輸や乱用に関連することでした。
1990年代 犯罪用語として議論する事は、あまり普及しなくなりました。徐々に違法薬物という考え方から痛みを和らげる手段の一つとして考えられるようになりました。
勿論、多くのアメリカ人がThe New York Timesを読んでいるわけではありません。しかし、このような記録新聞の分析は州によって合法化が異なる一つの理由になるのではと考えられます。
税収入
ジョージア州立大学のアルコールの利上げと麻の合法化に対して行った調査によると
- 医療用が合法化された州でアルコールの売り上げは15%減。
- 嗜好用が合法化された州でアルコールの売り上げは20%減。
となっています。
しかし、麻の税は、アルコールの税よりも大きいため、州は税収から十分利益を得ています。
嗜好用を合法化したすべての州で税収が年々増加している為、税収を上げたい州はこれからの合法化の流れに乗るのではないかと推測できます。
まとめ
- アメリカでは合法化の流れの真っ只中
- ヘンプはどの州でも生産可能、CBDも生産可能
- 州によって見解が異なる状況。旅行の際には注意
農場法案が可決されてアメリカで大流行中のCBDは、多数の製品が発売されていますが品質が悪い物も出回っており、ニューヨークではCBDを添加した食品の発売が禁止になりました。
日本でもインターネットで購入をしようと思って検索をすると、大量のCBD商品が販売されており、個人輸入をしたところ日本でも違法のTHCが検出されたという事もあり、税関を通るのが難しくなっています。
様々な健康効果が期待できるCBDですが、安全に使用できなければ意味がありません。安心して購入したい方は、CBDの正規輸入代理店やVAPE(電子タバコ)ショップをお勧めします。
Author Profile
- 2年前初めてCBDオイルに出会ってからどハマりしている自称都内っ子のアラサー女子(本当は東京の奥地のド田舎)
CBD製品は一通り全て試しており、CBDオイル検定が出れば即1級を取得できると豪語している。CBDオイルが好きすぎて論文などまで読み漁ったため、専門家に匹敵する知識が売り。
マニアックすぎて彼氏や友人に引かれるのでネットにてその知識を紹介中。
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